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連載 第5回 

ジェンダーってなあに?

「家庭と仕事の両立」のためには・・・

 女性問題フリーター藤田 羊
 
 1999(平成11)年に改正雇用機会均等法が施行され、募集・採用、配置・昇進など雇用において男女で異なった扱いをすることが前面的に禁止されました。従来、女性・男性の仕事とされてきた職種への進出も可能になり、男女の職業選択に幅ができたといえます。
それでも長引く不況の中で男女ともに依然として厳しい就職状況下にいます。特に女性にとっては女性であるがゆえジェンダー(女・男はこうあるべき/男が主で女が従という通念をもとにした男女の区別)の影響がみられます。
三年前の21世紀職業財団「新規大卒者の就職活動等実態調査」によると、女子学生にとって就職活動中にであったイヤなことのトップは「面接の時『結婚や出 産をしても働き続けますか』ということを(女子にだけ)質問された」ことです。これは女性が《産む性》であるため、就職してから十年ぐらいの間に結婚・出 産・子育てと環境が変化する中で、「男は仕事、女は家事・育児」が当然という風潮がまだまだ残っていて、その度に男性とは違い、仕事と家庭の選択・決断を 迫られる現状があるからです。
それに加えて、結婚や出産を期に退職し、その後の再就職時には企業が低賃金で雇え不況時には雇わなくてすむパートやアルバイトとして労働力を切り売りするなど、女性は労働の調整役として位置づけられてきました。
社会に出て働くことは経済的自立の手段であり、女性にとって地位向上や真の男女平等をめざすには欠かせないものの一つです。2002(平成14)年内閣府 の「男女共同参画社会に関する世論調査」では「子どもができても、ずっと職業を続けている方がよい」が、「子どもができたら職業をやめ、大きくなったら再 び職業を持つ方がよい」を初めて上回りました。
しかし女性が家事と家庭を両立させるには、社会のいたるところにはびこっているジェンダーの根を根気よく取り除き、男女双方が家庭責任を担う意識作り と、それを支援するために法律はもとより、地域の実態にそったキメ細やかな社会制度や環境整備が是非とも必要ではないでしょうか。
 
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