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連載 第2回

ジェンダーってなあに?

生まれる前からジェンダー

 女性問題フリーター藤田 羊
 
 子どもは大人の 側でさまざまなことを見聞きし、考えているものです。たとえば、母親どうしの集まりでは子育てについての情報交換が盛んです。しかしその中で、「お宅は女 の子だから台所の手伝いをしてもらえていいわね」「男の子なのにやさしすぎて心配だわ・・」「うちは男の子だけだから将来大学に入れるの大変」のような会 話をされたりしていませんか。
大人はジェンダー意識(「女・男らしさとは」「女・男はこうあるべき」というような固定観念)とまったく気づかず に子どもの側で話していることが、実は「家の手伝いは女の子がするもの」「男の子はやさしすぎるのはだめ」「女の子は将来大学にいかなくてよい」という メッセージを子どもの心に届けてしまいがちです。
子どものころ、同じ兄弟なのに、兄や弟は家事の手伝いを免れ、自分は勉強より家の手伝いをさせられ、男女の不平等・不公正さに疑問を感じた女性もおられるのではないでしょうか。
また、子どもが幼いときから知らず知らずジェンダー意識が芽生えるもののひとつに「女」色、「男」色があります。女の子にはピンクや暖色系=かわいい・やさしい、男の子にはブルーや寒色系=たくましい・強いなどのイメージを与えがちです。
ある雑誌の男性記者の体験で「外国でトイレに急いで飛び込んだが、そこは女性用でびっくりした。そんなことは無いはずだとトイレの表示をよく見直したとこ ろ、男女どちらも黒色の人形だった」とありました。その記者は黒=男のイメージが自分の中に刷り込まれていたことに気づいたそうです。
また奈良市にお住まいの外国人に「日本に来て驚いたこと」をたずねたところ、茶碗や湯のみの大きさ、箸の長さが男女で違うことを挙げられました。
このようにあまりにも身近な日常茶飯事のなかに<ジェンダーの根>がはびこっていて、結局「男性は仕事、女性は家庭」という性別役割が子どものうちから刷り込まれていくのではないでしょうか。
私たち大人は、子どもをとりまく環境や大人からの影響が、子どもの成長と共に人生観に大きく関わってくることを理解し、心配りをしていきたいものです。
 
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