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連載 第4回

ジェンダーってなあに?

「自分らしさ」と「女らしさ」との間で

女性問題フリーター藤田 羊
 
 周囲が一段と秋の色に染まる頃は、学生の皆さんにとって、学園祭や文化祭などの行事でにぎわう時期でもあります。
ところで、女性の大学への進学率は1989年に男性を追い抜き(文部科学省『学校基本調査』より)、1999年には進学率が女性50%対男性49%で、 今や女性の高学歴化が進んでいます。また従来は「男子は四年制大学・女子は短大」という考え方が一般的でしたが、1996年以降女性の「短大離れ」が進 み、4年制大学へ進学するのが主流になりつつあるようです。
しかし選択学科を見ると圧倒的に「男子は理系・女子は文系」に進学しております。
ところで皆さんは男女の 性差によって生まれつき能力に違いがあると思いますか?それより、もちろん個人差はあるとは思いますが、子どもの頃から周りの環境によって刷り込まれた ジェンダー(女・男はこうあるべきという通念を基にした男女の区別)の影響が強いのではないでしょうか。
子どもの頃からのジェンダーの影響は、親から精神的自立と自分らしさを求める青年期の女性にとって、ともすれば心の葛藤をもたらすことになります。
それは、勉強や仕事ができ有能であるばかりではなく、「女らしく」なければならないというメッセージが周りから当然のように発信されるからです。「女性は 不満を表面に表さず、自分の気持ちをおさえ、行動はひかえめに、出しゃばってはいけない」など内向性を求めるものであり、それに対し、「夢に向かって一生 懸命勉強し、社会に出たら積極的にバリバリ活動して自己実現しよう」という思いは相反するものであるからです。社会生活において、この二つの要素を女性は 男性と違い、大なり小なり意識せざるを得ないのが現状です。そのため、「自分らしさ」を求めようとすればするほど「女らしさ」との間で迷いやストレスを生 じがちです。
たぶん女性の多くは、若い頃を振り返ってみると、なぜかモヤモヤして割り切れない思いに駆られた経験をお持ちかと思われます。
女性が本来あるべき「自分らしさ」を素直に表現できる環境づくりは不可能なことなのでしょうか。「女・男だから」ではなく誰もが素直に自分らしく生きられる社会の実現のために、私たちにできることは何か、まず身近な周りから、考えてみたいものです。
 
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