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連載 第1回

ジェンダーってなあに?

生まれる前からジェンダー

女性問題フリーター藤田 羊
 
 皆さん、はじめまして。今回から連載コラムを担当します藤田羊(ふじた よう)です。しばらくの間お付き合いくださいね。
ジェンダー(生物学的性差ではなく、社会や歴史、文化の中で作られた性差)は抽象的でなかなかわかりにくいものです。また成長の過程で知らず知らずのうちに身についたジェンダー意識を取り除くのは容易ではありません。
そこで、男女共同参画社会の実現にとって基本である「ジェンダーに気づく」ために、人の生涯の様々な場面でのエピソードをもとに、具体的にお話を進めて 行きたいと思います。そして皆さんに「こんなの変じゃない」「これってジェンダー?」と自分自身で考えていただくきっかけになればと思います。
まず今回は、人が生まれる以前の「ジェンダー」から考えていきましょう。私たちは生まれる前から「女の子なら優しく、思いやりがあって、気だてのよい子 に」「男の子だったら元気でたくましく」と望まれることが多いようです。しかし本来、このような優しさ・思いやり深さ・元気なことなどは男女ともに人間と して大切なものですね。
また、生まれたときから女と男ではどうも価値に違いがあるのでは、と感じたことはありませんか。例えば、男の子が生まれると跡継ぎができたと喜ばれ、生 まれる子に女の子が続いたりすると「こんどは男の子を産まないと」と母親にプレッシャーがかかったりするなど、親にとってはどの子も大切なかわいい子ども であるのに、周囲の人々の反応がその度に違ったりするのは、なんだか同じ人間でも生まれたときから価値が違うようで釈然としませんね。
しきたりや伝統行事にも「ちょっと変では」と思うことがあります。例えば、お宮参りの時、額に男児は「大」、女児には「小」と書きますが、これもよく考 えると生後すぐから差があるように思われます。最近はジェンダーに敏感な方も少しずつ増え、自分の子どもに「大」「小」を書かないようにされている親もお られるようです。
三年前の奈良県のアンケート調査では男女平等を妨げている理由として「固定的な社会通念や慣習、しきたりなどに男性優位のものが 多い」が男女とも第1位でした。もちろん、しきたりや伝統の中にも良いものが多くありますが、差別につながるものは改めるなどして時代と共に変化してもよ いのではないでしょうか。
 
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